内視鏡センター長のご挨拶

内科副部長・内視鏡センター長 三関哲矢(みせきてつや)

 小生、この度4月より本院消化器内視鏡センター長を勤めております、三関哲矢と申します。管内の先生におかれましては、普段より患者様を多数御紹介いただき、誠にありがとうございます。この場をお借りして御礼申し上げます。当院では、昨年度より内視鏡学会専門医が1名(小生)、今年度より内視鏡学会指導医が1名(奥医師)増員となり、現在では消化器内視鏡専門医が4名(うち指導医は2名)在籍しております。この度、消化器内視鏡専門医の増員に伴い、消化器診療の充実を図る目的で「消化器内視鏡センター」を開設いたしました。全国レベルの検査・処置を可能とするために最新の内視鏡検査ユニットの新規導入、増設した他に、医師だけではなく、専任の内視鏡スタッフを配置いたしました。


  同時に、多くの患者様に安楽な検査をご提供できるよう、前処置室・リカバリー室の拡張を計っております。これまで検査時間が非常に遅くなって患者様を大変お待たせしてしまうことが多々ありましたが、今後はスムーズな検査の進行と質的診断の向上が期待できると考えております。

内視鏡室1
内視鏡室1
内視鏡室2
内視鏡室2
透視室
透視室


 当センターで施行している検査ならびに内視鏡的検査・手術は多岐にわたります。上部消化管領域では、スクリーニングで特殊光を用いた上部消化管内視鏡検査を行い、病変の早期発見に努めております。早期胃・食道癌に対する胃、食道粘膜下層剥離術(ESD)を始め、出血性潰瘍等の止血術や食道・胃静脈瘤に対する硬化療法、異物除去などを数多く手がけております。検査後は、二重のチェックの意味も兼ねて週に一度月曜日夕方に内視鏡所見のレビューを施行しており、内視鏡施行医全体のレベルアップを図っております。


  下部消化管領域では特殊光を組み合わせた拡大内視鏡観察を行い、病変の質的診断の向上に努めております。また、側方発育型腫瘍に対しても、EMRで一括切除できない症例に対しては、充分症例を検討したうえで粘膜下層剥離術(ESD)も施行しております。CO2送気装置を管内では初めて導入し、処置の安全性と検査後の苦痛の軽減を計れるように致しました。 


  また、小生の専門領域であります、胆膵系も当センターで力を入れている分野の一つです。近い将来に一般的になるであろうと考えられる電子ラジアル型、電子コンベックス型、及び現在主流の機械式ラ
ジアルと開発中のものを含めてすべてのEUSの方式を網羅できる最新のユニットを導入いたしました。もともとEUSは空間分解能に非常に優れる検査であり、胆管炎、胆嚢炎、膵炎等の炎症性疾患の原因スクリーニングでありますとか胆膵領域の癌の発見にも大きな力を発揮するものと期待しております。また、電子EUSではさらにドップラーを用いることができますので、微細な病変の拾い上げにも効果を発揮すると思っております。EUSは、ある程度の検査時間と鎮静の必要性を考えますと全く侵襲がないとはいえませんが、低侵襲でかなりの情報を得ることが可能です。また、将来的にはコンベックス型のEUSを導入し、EUS下穿刺(EUS-FNA)も積極的に行って行きたいと思っています。EUS-FNAでは1cm程度のリンパ節の生検までもが可能です。施行に当たっては経験と技術が必要となりますので、EUSセミナー等にも積極的に参加し、全体のレベルアップを図っていきたいと考えております。

EUS
EUS
CO2送気装置
CO2送気装置
洗浄器
洗浄器


 当センターではERCPも積極的に力を入れております。MRCPやDIC-CTが一般的になったことから、単なる胆管膵管造影のみで検査が終了することはほとんどなく、何らかの胆管閉塞や膵病変にアプローチする目的でERCPを行うことがほとんどです。最近ではスコープや治療機器がかなり改良されてきていることもあり、経乳頭的アプローチは以前に比較いたしますと非常にやりやすくなっております。また、PTBD等の経肝的アプローチに比べて低侵襲であること、また生理的であることから、積極的に経乳頭的な処置を行っております。今後は、胆管癌の術前診断として、経口胆道鏡(POCS) も積極的に施行したいと考えております。胆膵領域の炎症では、特に胆嚢炎、胆管炎は発症後まもなく敗血症に陥る病態の一つであり、発病当初に適切なドレナージができていれば問題なく手術へと持っていけることがほとんどですが、ひとまずトラブルを起こしますと生死にかかわる病態となり得ます。胆嚢炎、胆管炎については、可及的全例に超音波内視鏡と腹部CTにて悪性疾患を除外しつつドレナージの方法を検討していきたいと思っております。高齢者の胆嚢炎では、手術のリスク等も考慮に入れると、経鼻胆嚢ドレナージ(ERCPで胆嚢管を探り、胆嚢内にENBDを留置する)も選択枝の一つとなっております。


  また、膵癌、胆管癌等に起因する悪性胆道狭窄に対するメタリックステントの施行、あるいは交換等についても随時実施しております。また、最近トピックスとなっております、閉塞性硬化性胆管炎や自己免疫性膵炎の診断や治療も積極的に行っております。


  消化管のスクリーニングに関しましては、上部であれば絶食して来院いただければその日のうちに内視鏡を実施いたします。またCDS(colon direct system)と称して、開業医の先生より直接下部消化管内視鏡のご予約をいただけるシステムを構築中でございます。消化器分野に於きましては、当院外科とも協力をいたしまして、可及的速やかな診断及び内視鏡的処置を施行し、手術までの待ち時間を極力短くする体制を構築しております。あまり患者様をお待たせすることなく、治療を完結できるものと自負しております。また時間外に於きましても、当センターとしては24時間対処いたしますので、まずは御一報をいただけますと幸いです。


  以上、誠に簡単ではございましたが、当センターの概要を御紹介申し上げます。全国レベルで施行されている内視鏡的手技に関しては当センターでも問題なく施行できるものと考えております。まだまだ勉強不足で至らない点も多々あるとは存じますが、今後とも多数の患者様を御紹介いただけますようよろしくお願い申し上げます。

前処置室1
前処置室1
前処置室2
前処置室2
リカバリー室
リカバリー室