大腸がんを予防しよう

大腸がんを予防しよう

日本では大腸がんで死亡する人が増えています。
毎年約5万人（※）が命を落とす怖いがんですが、検査を受けることで予防につながります。
がんの特徴や検査、治療方法などについて紹介します。

※国立がん研究センター「最新がん統計」の部位別がん死亡数（2020）より。
大腸は男性27,718人、女性24,070人。

がんの部位別死亡数　女性は大腸が1位

大腸がんは、がんの部位別に見た1年間の罹患（りかん）数（診断される数）が1位、死亡数も2位と増加傾向です。食生活の欧米化や高齢化社会などが要因と考えられています。

特に女性は、がんの死亡数でトップ。女性がかかりやすいわけではなく、恥ずかしさなどから検査をためらい、発見が遅れるケースが目立ちます。

8割が無症状　早期発見で治癒率高く

大腸がんは、血便が出たり便が細くなるなどの症状が出ることもありますが、8割は無症状と言われています。したがって、検診での便潜血検査や大腸カメラ検査（大腸内視鏡検査）で早期に発見することが重要です。幸いなことに進行が遅いがんで、早く見つけると他のがんに比べて治癒率は高くなっています。

ポリープの有無で分かる　大腸がんのなりやすさ

大腸がんは「腺腫」という良性のポリープからほぼ始まります。ポリープが多くある人は将来、大腸がんになるリスクが高くなります。特に血縁者に大腸がんがいる人は要注意。大腸カメラ検査（大腸内視鏡検査）を一度は受けて、大腸がんになりやすい体質かを知っておきましょう。

検査について

便潜血検査

便潜血検査は、国が推奨している検診です。40歳以上なら年に1回、自治体の補助で受けることができます。大腸がんの人が便潜血で陽性になる確率は、83～92%（※）ですが、陽性後に内視鏡検査を受ける人は約6割にとどまっています。

※「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン（完全版）　大腸ポリープ　診療ガイドライン2014」より

大腸カメラ検査（大腸内視鏡検査）

肛門から直径1cm程度の内視鏡を挿入する検査です。挿入技術も内視鏡機器も進歩し、現在は以前に比べて苦痛が少なくなりました。

苦痛を和らげる取り組み

帯広第一病院では…

内視鏡の治療

早期のがんは、内視鏡による治療が可能です。

2cm以上のがん

内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）

表面に広がる浅いがんで、2cm以上のものはこれまで、内視鏡で複数回に分けて切除していました。ESDは、病変の下にヒアルロン酸を注入して盛り上がらせ、専用の電気メスで切開と剥離を繰り返して切除する方法。十勝では帯広第一病院で受けられます。2012年から健康保険の適用となりました。

2cm以下のがん

ポリペクトミー

ワイヤーの輪をポリープの茎部分にかけ、高周波連流で切除します。

内視鏡的粘膜切除術（EMR）

平らな形の腫瘍に行います。腫瘍を盛り上げてからワイヤーをかけ、高周波電流で切除します。

料金

大腸ドック

料金…27,500円（税込）

診察、身体測定、血圧測定、視力検査、心電図、検尿、胸部・腹部X線検査、血液検査、大腸カメラ検査（大腸内視鏡検査）、日常生活指導、結果説明
※人間ドックと併用の場合60,500円（税込）