震災対策を目的とした太陽光発電装置の導入について

地域への貢献について

震災対策を目的とした太陽光発電装置の導入について

 東日本大震災を教訓に、多くの企業では事業継続計画(BCP)の重要性が再認識され、特に震災による傷病者の受け入れが求められる医療機関では、電子カルテやライフラインのバックアップ体制構築、医薬品、医療材料、食糧の備蓄等、医療継続のためのBCP整備が必要とされております。

 そのような状況の中、平成24年11月27日に道内太平洋側では吹き荒れた初冬の嵐で、胆振管内を中心とした大規模停電が発生、市立室蘭総合病院や日鋼記念病院等、地域の中核病院が外来診療を休止する事態となりました。

 現在、帯広第一病院では地下水膜ろ過システムの導入により、市水をバックアップとして使用する体制が整備されており、電力については2機の自家発電装置を最上階に配備、24時間体制で1週間稼働可能な重油の備蓄も行っております。

 しかし、震災等による大規模停電が発生した場合、これら自家発電装置により病棟や手術室等の医療系で50%、廊下の照明や事務室等の生活系で20%の電力は確保できますが、診察や各種検査に多大な影響を及ぼすことが予想され、更に本年2月に導入した電子カルテによって、施設内の電力需要は益々高まるため、BCPの観点からも大規模停電に備えたバックアップ体制の構築が求められておりました。

 国は再生可能エネルギー措置法に基づき、平成24年7月1日より再生可能エネルギーの固定買い取り制度を開始させたことから、当法人において今後20年の施設利用を見込む帯広第一病院、帯広西病院、介護老人保健施設とかちの各施設屋上に太陽光発電装置を配備した場合、売電による投資シミュレーションを行った結果、約13年での投資回収が可能となりました。

 また、震災等による大規模停電が発生した場合には、自家発電した電力を売電せず施設内で使用することも可能であるため、照明等の確保により一定水準の医療や介護の継続が可能であると考え、震災対策を目的とした太陽光発電装置を上記3施設屋上に建設することにいたしました。

 なお、多くの再生可能エネルギーは、天候や季節、時間帯によって変動するため、蓄電貯蔵システムの確立が必要と言えます。蓄電にはリチウムイオン電池の大容量化、高密度化が既に実現していますが、市場価格は高くナトリウム硫黄電池やニッケル水素電池等も含め、開発と普及、市場価格が下がると予想される3年以内の設置を目指し、これらについても今後導入を検討したいと考えております。

 
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